2020年2月17日月曜日

δ:熱力学の第 0(ゼロ) 法則

δ:熱力学の第 0(ゼロ) 法則
物理学者の知恵はたいしたものだ
 「熱力学の第 0 法則」と呼ばれる法則がある。
 物体 A と物体 B が熱平衡にあるとき、 同時に物体 B と物体 C が熱平衡にあるならば、 物体 A と物体 C も熱平衡にある。これが熱力学の第零法則だ。
いわば、経験則であり、温度というのは物質の種類に関係なく使える概念だということを示している。  また、温度計で 2 つの物体の温度を測って、 それらが同じ値を示すなら 2 つは同じ温度だと言ってよいということを保証する法則でもある。
 
 当たり前だと言えば当たり前だが、よく考えればとても不思議なことだ。  物質を構成する分子は質量も違うし、色んな種類の分子が混じっていることもある。 大きさも違えば、その物体に掛かっている圧力も違うことがある。 物質にはこんなに違いがあるものなのに、なぜか「温度」というたった一つの数値で物質全体の状態を代表させることが出来て、熱平衡という現象でその数値が等しいかどうかを比較できるというのだ。
 
 なぜこれが第 0 法則かと言えば、 後から思い出したように追加したからである。 この他にも熱力学には第 1、第 2、第 法則があって、 熱力学で使われるけれども熱力学の範囲では説明できない事柄がこれらの法則の中で述べられている。 これらに与えられた歴史的な数字を今さらずらすほどでもないし、 4 法則として後ろに付け加えるほどでもない。  しかし最初の最初に断っておかないと気持ち悪い、くらいのニュアンスだろう。 まさに学者の知恵だと妙に納得する。
その他のメモ:熱力学第三法則は熱力学第一法則と熱力学第二法則から導くことができるので物理学の基本法則ではない、とする考えもある。
 
おっと なぜか 道は横にそれるのだ 今東光の毒舌日本史みたいにだ。
1)なぜエネルギー量子は とびとびの整数値に比例する?を納得せねばだったが 
それはアナタ! ボルツマンの統計力学から 覚醒せんとだめなんです
ボルツマンのエントロピーS=klogeの等重率の原理を知るべし
でエントロピーSを垣間見るために 熱力学に飛び込まざるを得ないのです
 
自然は根本的な法則においてはエネルギーの高低について 選り好みをしているわけではない。  現象の進む方向というのは、ただ反応の機会の多少によって決まる違いなのだ。 統計力学ではこの考えが中心になる。
 
エントロピー増大の理由
 容器の中の気体分子についても同じような考え方ができる。  気体が容器一杯に、ほぼ均等に散らばろうとするのは、 その状態が起こりやすいからに他ならない。 大部分の分子がたまたま容器の片隅に集まることは、完全に無いとは言えないが、その確率は非常に小さいから実現しないだけなのだ。 ・・・と考えてはどうだろう。
 真空容器に仕切りを設けて、一方だけに気体を入れる。  この仕切りを外せば、気体は一気に全体に広がる。  これは不可逆過程であり、エントロピーは増大し、元には戻らない。
 
 全ての分子が狭い範囲内にとどまって運動しているパターンより、 全体に広がって運動する方が、分子が取りうるパターンの数が圧倒的に多いためにそうなるだけなのだ。 この、分子が取り得る運動パターンの数のことを、専門書では「微視的状態の数」と表現している。
ということは、俺のせいかつと同様に流れに任せて大勢に従うということか。
エントロピー (: entropy) は、熱力学および統計力学において定義される示量性状態量である。当初は熱力学において、断熱変化の不可逆性を表す指標として導入され、後に統計力学において、系の微視的な「乱雑さ」を表す物理量という意味付けがなされた。
 
統計力学におけるボルツマンの公式である
 
イメージ 1
 
がよく知られている。ここで、は系が定められたエネルギー(および物質量、体積など)の下でとりうる状態の数である。また、比例係数 kB はボルツマン定数と呼ばれる。
Wが状態の数である ということが プランクの公式の元になった。
従って、
E = h\nu    物質が発する光のエネルギーEは、E =nhν このnは整数倍に限ると仮定してボルツマンの統計力学を用いるとプランクの公式を見事に導くことができる
 
イメージ 2
                                                                              ←プランクの公式
ボルツマンは、光は粒子ととらえていた。もともと分子の運動が熱量を生むと考えていたからだ。ヘルツは光は電磁波であり波だとしていた、プランクは波を支持していたがボルツマンの熱統計力学を当てはめると、黒体放射のスペクトル分布曲線が上記の公式でうまく解けるので、光は粒子かも、粒なら1個2個ととびとびに数えられ、そのエネルギーも不連続に変化するとしたのだろう。ehν/kT-1 という関数を思いつくヒラメキはすばらしい。量子力学の誕生だ。
 
プランク定数(Planckconstant記号)は彼の公式が太陽光スペクトルに完全に一致するようにこの定数hを決めたという。
 
振動数νの光はhνという大きさの単位でしかエネルギーを授受できない。νが大きくなるとhνの値も大きくなる。紫外発散など起こさない有限であるエネルギーを均等に配分したくても大きな振動数νの光には、分布曲線で囲まれた領域にはエネルギーを配れなくなる。そこであるピークから、もう配れないよとなり明るさが低下してしまう。

エネルギー等分配の法則は破棄された。

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